第2章 化学
⑩有機化合物
重要ポイント
危険物の中には、有機化合物が数多く存在する。
有機化合物に可燃性のものが多い。
有機化合物と無機化合物
化合物は、炭素の有無によって2つに分類できる。
炭素が含まれている化合物を『有機化合物』。(一酸化炭素や二酸化炭素、炭酸塩等の単純な化合物は含まないので注意)
炭素を含まない化合物を『無機化合物』。
生物体では、炭素を含む化合物が多く含まれるので、炭素を基準に化合物を区分している。
有機化合物の分類
有機化合物は、
分子が鎖のような結びつき方をしている『鎖式化合物』。
分子が環状構造をしている『環式化合物』に分かれる。
環式化合物には、ベンゼン環という環状構造の芳香族化合物もある。
官能基とは
有機化合物には、『官能基』と呼ばれる化合物群に特有の性質を与える原子団がある。
下記の分類法で、官能基の種類と有機化合物の持つ性質が分かる。
官能基 | 有機化合物 | 性質 |
メチル基 | メタノール | 疎水性 |
エチル基 | エタノール | 疎水性 |
ヒドロキシル基 | エタノール | 中性、親水性 |
ヒドロキシル基 | フェノール | 酸性、親水性 |
アルデヒド基 | アセトアルデヒド | 還元性 |
カルボニル基 | アセトン | 還元性なし |
カルボキシル基 | 酢酸 | 酸性、親水性 |
ニトロ基 | ニトロベンゼン | 中性、疎水性 |
アミノ基 | グリシン | 塩基性 |
疎水性とは、物質が水に溶けにくい、混ざりにくいこと。
親水性とは、逆に物質が水に溶けやすく、混ざりやすいこと。
有機化合物と無機化合物の特性
有機化合物の成分元素は主に炭素C、水素H、酸素O、窒素Nで構成されている。
有機化合物の種類は約2000万種類といわれている。
有機化合物の特性は下記の通り。
- 水に溶けにくい
- 有機溶剤によく溶ける
- 多くが非電解質
- 無機化合物と比べると分子量が大きい
- 反応速度が遅い
- 可燃性物質が多い
- 融点、沸点が低いものが多い
危険物には有機化合物が多く含まれている。
無機化合物は5、6万種と、有機化合物より種類が少ない。
無機化合物の特性は下記の通り。
- 水に溶けやすい
- 融点が高い
- 反応速度が速い
まとめ
官能基の種類により有機化合物の持つ性質が分かる。
有機化合物の成分元素は主に炭素C、水素H、酸素O、窒素Nである。
有機化合物は水に溶けにくく、融点が低い。
無機化合物は水に溶けやすく、融点が高い。
コメント