第2章 基礎的な化学
⒑有機化合物
重要ポイント
危険物の中には、有機化合物が数多く存在する。
有機化合物に可燃性のものが多い。
有機化合物とは
一酸化炭素、二酸化炭素などの一部を除いて、炭素Cが含まれている化合物を有機化合物という。それ以外の化合物は無機化合物である。
有機化合物は、分子が鎖のような結びつき方をしている鎖式化合物と、分子が環状構造をしている環式化合物に分かれる。
環式化合物には、ベンゼン環という環状構造の芳香族化合物もある。
官能基とは
有機化合物の特性を表す原子団を官能基という。官能基の種類が分かると、有機化合物がどのような性質を持っているかを予想できる。
疎水性とは、水になじみにくい性質のこと。
官能基 | 有機化合物 | 性質 |
メチル基 | メタノール | 疎水性 |
エチル基 | エタノール | 疎水性 |
ヒドロキシル基 | エタノール | 中性、親水性 |
ヒドロキシル基 | フェノール | 酸性、親水性 |
アルデヒド基 | アセトアルデヒド | 還元性 |
カルボニル基 | アセトン | 還元性なし |
カルボキシル基 | 酢酸 | 酸性、親水性 |
ニトロ基 | ニトロベンゼン | 中性、疎水性 |
アミノ基 | グリシン | 塩基性 |
有機化合物と無機化合物の特性
有機化合物の成分元素は主に炭素C、水素H、酸素O、窒素Nで構成されている。
成分元素が少ないわりに、有機化合物の種類は約2000万種類といわれている。
その理由は、分子式が同じなのに、子分子の構造が違う異性体があるためである。
有機化合物の特性は下記の通り。
- 水に溶けにくい
- 有機溶剤によく溶ける
- 多くが非電解質
- 無機化合物と比べると分子量が大きい
- 反応速度が遅い
- 可燃性物質が多い
- 融点、沸点が低いものが多い
危険物には有機化合物が多く含まれている。
無機化合物は5、6万種と、有機化合物より種類が少ない。
無機化合物の特性は下記の通り。
- 水に溶けやすい
- 融点が高い
- 反応速度が速い
まとめ
有機化合物の成分元素は主に炭素C、水素H、酸素O、窒素Nである。
有機化合物は水に溶けにくく、融点が低い。
無機化合物は水に溶けやすく、融点が高い。
コメント