第2章 化学
8⃣酸化と還元
重要ポイント
酸化と還元で酸素、水素、電子が移動する。
酸化と還元
物質が酸素と結びつくことで酸化物になる化学反応を『酸化』という。
酸化の例は下記の通り。
- 燃焼:燃料が酸素と反応して燃焼する。
- 錆:金属が酸素と反応して酸化鉄(酸化物)を生成する
- マグネシウムが燃えて酸化マグネシウムになる。
マグネシウムが燃焼して酸化マグネシウムになったことを化学反応式にすると、マグネシウムに酸素が化合しているのが分かる。
2Mg(マグネシウム)+O₂(酸素)→2MgO(酸化マグネシウム)
逆に、酸化物が酸素を失うことを『還元』という。
- 酸化銅が水素と化合して銅と水になった。
- 酸化銅が炭素と化合して銅と二酸化炭素になった。
酸化銅が水素と化合して銅と水になったことを化学変化にすると、下記の通り。
2CuO(酸化銅)+H₂(水素)→2Cu(銅)+H₂O(水)
還元の化学反応式をみると、酸化銅の酸素が水素に持っていかれて酸化銅は銅に、水素は水になっているのが分かる。
このとき、酸化銅は還元されて、水素は酸化している。つまり、酸化と還元が同時に起こっている。これを、酸化還元反応という。
水素と電子による酸化と還元
物質が水素または電子を失うことを酸化という。
物質が水素または電子を受け取ることを還元という。
物質が酸素と化合するときに酸化、酸素を失うときに還元になる。
酸化剤と還元剤
他の物質を酸化させる物質を『酸化剤』という。
他の物質を酸化させた場合、酸化剤自身は還元される。
酸化剤は、自身の酸素を他の物質に与えることで酸化させる。自身は酸素を失うから還元する。
また、他の物質を酸化させるということは、水素や電子を奪うことにもなる。
酸化剤になりやすい物質は下記の通り。
- 硝酸
- 塩素
- 酸素
- 過酸化水素
- 塩素カリウム
他の物質を還元させる物質を『還元剤』という。
他の物質を還元させた場合、還元剤自身は酸化される。
還元剤は、自身に酸素を与えることで他の物質を還元させる。自身は酸素をもらうから酸化する。
また、他の物資を還元するということは電子と水素を与えるということ。
還元剤になりやすい物質。
- ナトリウム
- カリウム
- 水素
- 一酸化炭素
まとめ
物質自体が酸化剤により酸化する。酸化剤自身は還元されする。
物質自体が還元剤により還元する。還元剤自身は酸化される。
酸化 | 還元 |
酸素を得る | 酸素を失う |
水素を失う | 水素を得る |
電子を失う | 電子を得る |
酸化反応と還元反応は常に同時に起こる(酸化還元反応)。
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