乙4ブログ 第2章 基礎的な化学 9⃣元素の分類

第2章 基礎的な化学

9⃣元素の分類

重要ポイント

イオン化傾向が大きい金属ほど錆びやすい。

金属の腐食を防ぐためにはどんな対策があるか?

金属の特徴

金属は下記の特性を持っています。

  • 融点が高く、常温で固体
  • 塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸に溶ける
  • 塩基性酸化物をつくる
  • 金属光沢がある
  • 熱や電気を通しやすい良導体
  • 比重が大きい
  • たたくと広がる(展性)、引っ張るとのびる(延性)

比重が4以下の金属を軽金属、比重が4より大きい金属を重金属という。比重が1より小さい場合、水に浮く。

金属には、電子を失って陽イオンになろうとする性質があり、これをイオン化傾向という。

金属が液体の中で陽イオンになると溶ける。また、空気中で陽イオンになると錆びる。鉄が錆びるのは空気中で電子を失って(酸化)陽イオンになるから。

金属のイオン化傾向の大きさは金属の種類によって違う。

イオン化傾向を大きい順に左から並べたものをイオン化列という。

イオン化傾向が大きい方が、より陽イオンになりやすい。つまり、液体中で溶けやすく、空気中で錆びやすい。

イオン化列は下記の通り、

LiKCaNaMaAlZnFeNiSnPbHCuHgAgPtAu
リチウムカリウムカルシウムナトリウムマグネシウムアルミニウム亜鉛ニッケルスズ水素水銀白金
                    ← (大)   イオン化傾向  (小)→

語呂合わせにすると覚えやすいと思います。いろいろあるので調べてみると面白いです。

リカ(ちゃん)、カナ(ちゃん)まあ当てにすなひどすぎ借

LiKCaNaMaAlZnFeNiSnPbHCuHgAgPtAu
                    ← (大)   イオン化傾向  (小)→

金属の表面が化学的に、または電気的に侵されることを腐食という。

鉄の配管は、鉄が陽イオン化して溶けることで腐食する。

腐食しやすい条件は下記の通り。

  • 湿度が高い、水分が存在する
  • 異なる土壌が混ざっている場所
  • 中性化がすすんだコンクリート内
  • 迷走電流が流れている場所
  • 限度以上の塩分がある場所
  • 異種金属が接触している場所
  • 酸性が高い場所

金属の腐食を防ぐ方法は下記の通り。

  • 防食材を使う
  • 地下鉄と触れ合わないようにする
  • コンクリートを強アルカリ性に保つ
  • エポキシ樹脂などの合成樹脂で金属を覆う
  • 腐食させたくない金属を、イオン化傾向の大きい異種金属とつなぐ

腐食を防ぐには、金属が陽イオン化しにくくすることが大切。

たとえば、

鉄の配管を腐食させたくなければ、それよりもイオン化傾向の大きい亜鉛などをつなげば、亜鉛などの腐食は進んで鉄の配管の腐食は防ぐことができる。

元素の分類

元素は1~18族に分類されている。このうち1、2、12~18族の元素を典型元素という。

元素の周期表の左側にある約80種類は、金属元素と呼ばれる。それ以外は非金属元素です。周期表の左下の元素ほど金属性が強い。

・アルカリ金属(Hを除く1族元素)

Na⁺、K⁺のような、+1のイオン(1価の陽イオン)になりやすい。イオン化傾向が大きく、水溶液は強い塩基性を持っている。

・アルカリ土類金属(Be、Mgを除く2族元素)

Ca²⁺、Ba²⁺のような、+2のイオン(2価の陽イオン)になりやすい。

・ハロゲン(17族元素)

-1のイオン(1価の陰イオン)になりやすい。水素や金属と反応しやすく、強い酸化作用を持っている。

まとめ

イオン化傾向とは、金属が電子を失って(酸化)陽イオンになろうとすること。

イオン化傾向が大きいほど、液体の中で溶けやすく、空気中で錆びやすい。

腐食を防ぐため、よりイオン化傾向の大きい金属を組み合わせる。

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