第5章 危険物の性質
⑩動植物油類
重要ポイント
乾性油は酸化しやすく、発火の危険性が高い。
動植物油類の性質
『動植物油類』とは、動物の脂肪や植物の種子や果実から抽出された油。
1気圧において引火点が250℃未満で、動物や植物からとった油。具体的にはアマニ油、ヤシ油、オリーブ油などが該当。
指定数量は10000ℓ
動植物油類の油は、空気中の酸素と反応(酸化)して熱を発生させ、その熱が蓄積することで、引火点に達しなくても自然発火する可能性がある。
動植物油の自然発火:
- 動植物油類は、不飽和脂肪酸を多く含むため、空気中の酸素と反応して酸化する。
 - 酸化反応によって発生する熱が蓄積し、引火点に達していなくても発火する。
 - 特に、乾性油と呼ばれる、ヨウ素価の高い油は、酸化しやすく自然発火しやすい。
 
ヨウ素価:
- ヨウ素価とは、油100gに結びつく、ヨウ素の量をいう。不飽和脂肪酸の含有量を示す指標。
 - ヨウ素価が高いほど、不飽和脂肪酸が多く含まれ、酸化しやすい。
 
乾性油・半乾性油・不乾性油:
- 乾性油:ヨウ素価が130以上で、完全に固まる性質の油。
 - 半乾性油:ヨウ素価が100~130程度で、ある程度固まる性質の油。
 - 不乾性油:ヨウ素価が100以下で、固まりにくい性質の油。
 
| アマニ油 | ナタネ油 | ヤシ油、オリーブ油 | |
| 引火点(℃) | 200℃ | ||
| 水溶性 | 水に溶けない | ||
| 比重 | 1より小さい | ||
| 色 | 淡黄色または無色透明 | ||
| 油の性質 | 乾性油 | 半乾性油 | 不乾性油 | 
| 用途 | ペンキ、絵具 | 食用油 | 化粧品、食用油 | 
| よう素価 | 大きい | 普通 | 小さい | 
| 不飽和脂肪酸 | 多い | 普通 | 少ない | 
| その他 | 燃え出すと夜温が高くなり消火が困難 | ||
| 保管 | 換気して冷暗所 | ||
| 消火 | 窒息(泡、ハロゲン化物、二酸化炭素、粉末) | ||
まとめ
| アマニ油 | ヤシ油 | 
| ヨウ素価が大きい | ヨウ素価が小さい | 
| 不飽和度が高い | 不飽和度が低い | 
| 乾性油 | 不乾性油 | 
| 固化しやすい | 固化しにくい | 
| 自然発火しやすい | 自然発火しにくい | 
  
  
  
  
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