第6章 危険物に関する法令
②申請と届出
重要ポイント
製造所等の設置から使用できるまでの申請の流れ
製造所等の設置の申請
製造所等の設置の申請手続きには許可申請、承認申請、検査申請、認可申請がある。
届出手続きの場合は届け出るだけですむが、申請手続きには許可が必要である。
申請手続きの手続き事項や申請先は下記の通り。
申請 | 手続き | 申請先 |
許可 | 製造所の設置 | 市町村長等 |
製造所の位置、構造、設備の変更 | ||
承認 | 仮使用 | |
仮貯蔵、仮取扱い | 消防長または消防署長 | |
検査 | 完成検査 | 市町村長等 |
完成検査前検査 | ||
保安検査 | ||
認可 | 予防規定の作成、変更 |
製造所等を設置する場合や、位置、構造、設備を変更する場合、市町村長等の許可を受けなければならない。
また工事完了したあと、市町村長等に完成検査を申請する。
完成検査の申請が通ったら、完成検査済証が交付され、製造所等を使用することができる。
ただし、液体危険物タンクがある製造所等の場合、製造所等全体の完成検査を受ける前に、タンクに異常がないか完成検査前検査をする。
仮使用・仮貯蔵・仮取扱い
製造所等を一部変更する工事のとき、承認を受けることで工事と関係ない部分を使うことを仮使用という。
製造所等の全体の一部だけを工事するだけなので、他の部分に関しては関係ないので仮使用するということ。
また、指定数量以上の危険物は製造所等以外では取り扱えないが、消防長または消防署長の承認を受けることで10日間まで仮貯蔵・仮取扱いができる。
仮使用、仮貯蔵、仮取扱いは承認が必要。それぞれの内容は下記の通り。
仮使用 | 仮貯蔵・仮取扱い | |
場所 | 使用中の製造所等 | 製造所等以外の場所 |
内容 | 製造所等を一部変更する工事のとき、工事と関係ない部分を使用する | 指定数量以上の危険物を仮に貯蔵、取扱う |
期間 | 変更工事中 | 10日以内 |
申請先等 | 市町村長等が承認 | 消防長または消防署長が承認 |
各種届出
届出は書類を出すだけでよく、その後の許可は必要ないのが申請とは違う。
届出が必要な手続きは下記の通り。
届出が必要な手続き | 届出期限 | 届出先 |
製造所等の譲渡または引っ越し | 遅滞なく | 市町村長等 |
製造所等の用途の廃止 | ||
危険物の品名、数量または指定数量の倍数の変更 | 変更しようとする日の10日前まで | |
危険物保安監督者の選任、解任 | 遅滞なく | |
危険物保安統括管理者の選任、解任 |
申請先・届出先
申請先、届出先は条件によって変わる。
移送取扱所 | 移送取扱所を除く製造所等 | 申請・届出先 |
消防本部と消防署を設置する1つの市町村の区域に設置される場合 | 消防本部と消防署を設置する市町村 | 市町村長 |
上記以外の市町村の区域、または2つ以上の市町村にまたがって設置される場合 | 上記以外の市町村 | 都道府県知事 |
2つ以上の都道府県にまたがって設置される場合 | 総務大臣 |
まとめ
市町村長等(許可) | 製造所の設置、位置、構造、設備の変更 | |
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市町村長等(承認) | 仮使用 | 工事以外の場所を使用するとき |
消防長または消防署長(承認) | 仮貯蔵、仮取扱い | 指定数量以上の危険物を仮に貯蔵、取扱う場合は10日間だけ |
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市町村長等(検査) | 完成検査前検査 | タンクがある場合 |
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市町村長等(検査) | 完成検査(完成検査済証の交付) | 製造所等全体 |
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市町村長等(検査) | 保安検査 | |
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認可 | 予防規定の作成、変更 |
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