第6章 危険物に関する法令
⑨屋外タンク貯蔵所の基準
重要ポイント
タンク内の液体危険物が漏れたときのために、タンクの周りを囲い被害を食い止める防油堤が必要。
位置の基準
屋外タンク貯蔵所は保安距離と保有空地を必要とし、保有空地の幅は指定数量の倍数によって決められている。
また、引火点を持つ液体危険物を貯蔵または取り扱う場合、タンク側板から敷地の境界線までに敷地内距離を必要とする。敷地内距離は保安距離と保有空地の間に必要とするイメージ。
構造と設備の基準
屋外タンク貯蔵所の構造と設備の基準は下記の通り。
屋外貯蔵タンク | ・暑さ3.2mm以上の鉄板でつくる ・外面に錆止めを施す ・配管の材質は製造所の基準と同じ |
液体危険物の貯蔵 | ・危険物の量を自動的に表示する装置を置く ・静電気による災害の可能性がある場合、タンク注入口に静電気を除去する接地電極を設ける |
圧力タンク | 安全装置を置く |
圧力タンク以外のタンク | 通気管を設ける |
避雷設備 | 指定数量の倍数が10以上の場合に設ける |
防油堤の基準
液体危険物(二硫化炭素以外)を屋外タンクで貯蔵する場合、周囲に防油堤を設けなければならない。
防油堤の基準は下記の通り。
容量 | 引火点を持つ液体危険物の場合、タンク容量の110%以上とする。 同じ防油堤の中に貯蔵タンクが2つ以上ある場合、容量が最大であるタンクの110%以上とする。 |
設備 | ・内部の滞水を排出する水抜口と、水抜口を開閉する弁を設ける ・高さ0.5m以上 ・高さ1mを超える場合、約30m毎に階段を設ける |
たとえば、
重油300㎘、ガソリン100㎘を貯蔵する場合、容量が最大である重油300㎘×1.1=330㎘以上が防油堤の容量となる。
まとめ
- タンクの周囲に保安距離
- タンクから敷地の境界線までが敷地内距離
- タンクから保安対象物までが保安距離
二硫化炭素以外の液体危険物を取り扱う場合、防油堤が必要。
防油堤の容量はタンクの容量の110%。
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