第6章 法令
⑳移送の基準
重要ポイント
「移送」とは、タンクローリー(移動タンク貯蔵所)による輸送を指す。
危険物取扱者の乗車義務と免状携帯、必要に応じた移送経路の消防機関への届出、「危」の標識の掲示、消火器の備え付けなどが義務付けられている。
移送する危険物の種類や量、移送時間によって追加の基準が適用され、、例えば長時間の移送では複数名での運転要員が必要となることがある。
移送の基本ルール
- 危険物取扱者の同行:危険物取扱者の乗車と免状の携帯が義務付けられている。
 - 標識の掲示:指定数量以上の危険物を移送する場合、車両の前後に「危」と書かれた標識(黒地に黄の文字、0.3m四方以上)を掲示する必要がある。
 - 移送前の点検:移送を行う前に、タンク、消火器などの点検を行う。
 - 安全な場所での休憩:移動中に休憩等で車両を一時停止させる場合は、安全な場所を選ぶ。
 
追加の留意事項
- 危険物取扱者の配置:連続運転時間が4時間を超える場合や、一日あたりの移送が9時間を超えるような長時間の移送では、2人以上の運転要員が必要。
 - 特定物質の移送:アルキルアルミニウムなどの特に危険性の高い物質を移送する場合は、事前に消防機関に移送経路等を記載した書面を通知し、書面の写しを携帯する必要がある。
 - 積載方法:危険物は、運搬容器に収納し、転落、転倒、破損しないように固定する。また、収納口は上向きに積載する。
 
運搬との違い
- 「運搬」はタンクローリー以外の車両を使った輸送を指し、指定数量以上でも危険物取扱者の乗車義務はない。
 - 「移送」は、タンクローリーのような「移動タンク貯蔵所」を用いた輸送で、危険物取扱者の関与が必須となる。より厳しい基準が設けられている。
 
まとめ
- 危険物の「運搬」は危険物取扱者は不要、「移送」は危険物に対応できる危険物取扱者が必要。
 - 免状の携帯が必要。
 - 車両の前後に「危」と書かれた標識。
 - 移送前にタンクや消火器等の点検。
 - 移送は一人でもいいが、連続運転時間が4時間を超える場合と、一日の移送時間が9時間を超える場合は二人以上の運転要員が必要。
 - アルキルアルミニウムなどの特に危険性の高い物質を移送する場合は、事前に消防機関に移送経路等を記載した書面を通知し、書面の写しを携帯する必要がある。
 
  
  
  
  
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