第2章 化学
⑨イオン化傾向
重要ポイント
イオン化傾向が大きい金属ほど錆びやすい。
金属の腐食を防ぐためにはどんな対策があるか?
金属のイオン化傾向
水溶液中の金属の陽イオン(酸化)へのなりやすさを、『金属のイオン化傾向』という。
陽イオンへのなりやすさとは、具体的に酸化のしやすさ、腐食のしやすさ、錆やすさなどをいう。
たとえば、
イオン化傾向の小さい金は、錆びない金属として知られている。
金属のイオン化傾向の大きさは金属の種類によって違う。
イオン化傾向を大きい順に左から並べたものをイオン化列という。
イオン化傾向が大きい方が、より陽イオンになりやすい。つまり、液体中で溶けやすく、空気中で錆びやすい。
イオン化列は下記の通り、
Li | K | Ca | Na | Ma | Al | Zn | Fe | Ni | Sn | Pb | H | Cu | Hg | Ag | Pt | Au |
リチウム | カリウム | カルシウム | ナトリウム | マグネシウム | アルミニウム | 亜鉛 | 鉄 | ニッケル | スズ | 鉛 | 水素 | 銅 | 水銀 | 銀 | 白金 | 金 |
語呂合わせにすると覚えやすいと思います。いろいろあるので調べてみると面白いです。
リカ(ちゃん)、カナ(ちゃん)まあ当てにすなひどすぎ借(白)金
リ | カ | カ | ナ | ま | あ | 当 | て | に | す | な | ひ | ど | す | ぎ | 借 | 金 |
Li | K | Ca | Na | Ma | Al | Zn | Fe | Ni | Sn | Pb | H | Cu | Hg | Ag | Pt | Au |
金属の表面が化学的に、または電気的に侵されることを腐食という。
鉄の配管は、鉄が陽イオン化して溶けることで腐食する。
腐食しやすい条件は下記の通り。
- 湿度が高い、水分が存在する
- 異なる土壌が混ざっている場所
- 中性化がすすんだコンクリート内
- 迷走電流が流れている場所
- 限度以上の塩分がある場所
- 異種金属が接触している場所
- 酸性が高い場所
金属の腐食を防ぐ方法は下記の通り。
- 防食材を使う
- 地下鉄と触れ合わないようにする
- コンクリートを強アルカリ性に保つ
- エポキシ樹脂などの合成樹脂で金属を覆う
- 腐食させたくない金属を、イオン化傾向の大きい異種金属とつなぐ
腐食を防ぐには、金属が陽イオン化しにくくすることが大切。
たとえば、
鉄の配管を腐食させたくなければ、それよりもイオン化傾向の大きい亜鉛などをつなげば、亜鉛などの腐食は進んで鉄の配管の腐食は防ぐことができる。
まとめ
イオン化傾向とは、金属が電子を失って陽イオン(酸化)になろうとすること。
イオン化傾向が大きいほど、液体の中で溶けやすく、空気中で錆びやすい。
腐食を防ぐため、よりイオン化傾向の大きい金属を組み合わせる。
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