①消火方法・火災の種類・消火剤
📌 はじめに
危険物乙種第4類の火災対策で最も重要なのが 「消火の仕組みと消火剤の使い分け」 です。
引火性液体は燃え方が特徴的であり、水をかければ良いというわけではありません。
正しい消火方法と消火剤を理解することは、試験でも実務でも確実な得点・安全対策につながります。
この章では、消火の基本原理と、乙4で覚えるべき代表的な消火剤とその効果を整理していきます。

🔥 1. 消火の基本原理
消火理論は、燃焼の三要素(可燃物・酸素・熱)のうち どれを断つか によって分類できます👇
🔹 除去消火
→ 可燃物を除く
例:燃えている液体を移動させるなど(実務では限定的)
🔹 窒息消火
→ 酸素を遮断して燃焼を止める
例:泡消火剤や二酸化炭素で酸素供給を断つ
🔹 冷却消火
→ 熱を下げて燃焼を止める
例:水や強化液消火剤による熱吸収(ただし水は引火性液体火災には基本NG)
🔹抑制消火法 燃焼の継続を抑制
燃焼は酸化の連鎖によって燃焼し続ける。これを『燃焼の継続』という。燃焼の3要素+1で4要素ということもできる。
→抑制消火はこの連鎖反応を止める消火方法。
🔥 2. 主要な消火剤と特徴
乙4試験で押さえておきたい消火剤は以下の通りです👇(用途・効果つき)
🔹 泡消火剤
📌 効果
- 窒息効果:炎の上に泡の膜を作り、酸素を遮断
- 冷却効果:蒸発熱で熱を奪う
📌 使いどころ
→ 引火性液体火災に基本となる消火剤。
ただし、**水溶性液体(例:アルコール)**には一般泡は効果が落ちるため、耐アルコール泡消火剤を使う必要あり。
🔹 二酸化炭素(CO₂)消火器
📌 効果
- 窒息消火(酸素遮断)
📌 特徴
→ ガスなので周囲に残留せず、密閉空間にも有効
→ 熱を奪う冷却効果もある程度あり
🔹 粉末消火器
📌 効果
- 窒息消火
- 鎖反応の抑制(化学効果)
📌 特徴
→ 広い火災に対応
→ 汎用性が高く、機器周りでも使いやすい
🔹 強化液消火剤
📌 効果
- 冷却効果(熱の吸収)
- 抑制効果(燃焼連鎖反応の遮断)
🔹 乾燥砂
📌 効果
- 窒息効果
📌 特徴
→ 小さな局所火災で、可燃液体の表面に撒いて燃焼を封じる
🔥 3. 使ってはいけない消火方法
乙4の可燃性液体火災では、使うと危険な消火方法があります👇
❌ 水による直接消火
→ 引火性液体は水に浮き、火災が広がる危険があるため基本的にNG。
❌ 棒状強化液消火剤の乱射
→ 液面を撹拌し、可燃性蒸気を拡散させる恐れがあるとして注意が必要です。
🔥 4. 火災の種類
火災は下記の3種類に分けられる。
『普通火災(A火災)』
⇒木材、紙、繊維など、普通の可燃物による火災。
『油火災(B火災)』
⇒石油類などの可燃性液体、油脂類などによる火災。
『電気火災(C火災)』
⇒電線、モーターなどの電気設備による火災。
火災に対する消火剤の一覧。
| 消火剤 | 消火方法 | 対応できる火災 | ||||
| 普通(A) | 油(B) | 電気(C) | ||||
| 水・泡系 | 水 | 棒状 | 冷却 | ○ | × | × |
| 霧状 | 冷却 | ○ | × | ○ | ||
| 強化液 | 棒状 | 冷却 | ○ | × | × | |
| 霧状 | 冷却・抑制 | ○ | ○ | ○ | ||
| 泡 | 窒息・冷却 | ○ | ○ | × | ||
| 耐アルコール泡 | 窒息・冷却 | ○ | ○ | × | ||
| ガス系 | 二酸化炭素 | 窒息・冷却 | × | ○ | ○ | |
| ハロゲン化物 | 抑制・窒息 | × | ○ | ○ | ||
| 粉末系 | りん酸塩類 | 抑制・窒息 | ○ | ○ | ○ | |
| 炭酸水素塩類 | 抑制・窒息 | × | ○ | ○ | ||
🧠 5. 受験者向け暗記ポイント
✔ 消火は 酸素遮断(窒息)・熱除去(冷却)・連鎖反応遮断(抑制) のいずれかで行う
✔ 泡・CO₂・粉末・強化液 を覚える
✔ 水を直接使うのはNG(引火性液体火災)
🔥 6. まとめ(試験で出るポイント)
| 消火剤 | 主な効果 | 備考 |
|---|---|---|
| 泡消火剤 | 窒息・冷却 | 引火性液体の基本 |
| CO₂消火器 | 窒息 | 密閉空間にも使える |
| 粉末消火器 | 窒息・抑制 | 幅広い火災に対応 |
| 強化液消火剤 | 冷却・抑制 | 熱吸収重視 |
| 乾燥砂 | 窒息 | 局所小火災 |

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