第5章 危険物の性質
①危険物の分類
重要ポイント
- 消防法の定める危険物は個体と液体のみで、気体はない。
- 6類に分類されている。
- 相手を酸化させる物質(酸化性)、自身が燃えやすい物質(還元性)、自分自身が燃える物質がある。
危険物の分類
危険物取扱者が扱う危険物は、消防法によって下記のように定められている。
『危険物とは、別表第一の品名欄に掲げる物品で、同表に定める区分に応じ同表の性質欄に掲げる性状を有するものいう』
消防法の定める危険物は火災が発生しやすい、消火が困難なことが特徴。
また、消防法の定める危険物は個体と液体のみで、気体は含まれない。
危険物は6類に分類されている。
『第1類危険物(酸化性個体)』
- 他の物質を酸化させる性質を持つ個体
- 自身は燃焼しないが、他の物質の燃焼を促進したり、熱や衝撃、熱や衝撃、摩擦で分解して激しく燃焼したりする危険がある。
- 例:塩素酸塩類、過マンガン酸塩類、亜塩素酸塩類など
『第2類危険物(可燃性個体)』
- 火源があれば着火しやすい個体、比較的低温で引火しやすい個体。
- 一度着火すると激しく燃焼し、消火が困難。
- 例:硫化リン、赤りん、硫黄、鉄分、マグネシウムなど
『第3類危険物(自然発火性物質、禁水性物質)』
- 空気中で自然に発火する性質を持つ個体または液体、あるいは水と反応して発火または可燃性ガスを発生する個体または液体。
- 例:アルキルアルミニウム、アルキルリチウム、黄リン、アルカリ金属など
『第4類危険物(引火性液体)』
- 引火性のある液体
- 例:ガソリン、灯油、軽油、重油、アルコール類など
『第5類危険物(自己反応性物質)』
- 酸素を含み、その酸素によって自分自身が燃焼。
- 加熱や分解によって、比較的低い温度で多量の熱を発生したり、爆発的に反応が進行したりする。
- 例:有機過酸化物、アゾ化合物など
『第6類危険物(酸化性液体)』
- それ自体は燃焼しないが、他の物質を酸化させ燃焼を促進する性質を持つ液体。
- 例:過塩素酸、過酸化水素、硝酸など
まとめ
類別 | 性質 | 性状 | 性質の概要 |
第1類 | 酸化性個体 | 個体 | 自身は不燃性で燃焼しないが、他の物質を強く酸化させる性質を有する個体であり、可燃物と混合したとき、熱、衝撃、摩擦によって分解し、極めて激しい燃焼を起こさせる。 |
第2類 | 可燃性個体 | 個体 | 火炎によって着火しやすい個体又は比較的低温(40℃未満)で引火しやすい個体であり、燃焼が速く消火することが困難。 |
第3類 | 自然発火性物質及び禁水性物質 | 液体又は個体 | 空気にさらされることにより自然発火し、又は水と接触して発火し若しくは可燃性ガスを発生する。 |
第4類 | 引火性液体 | 液体 | 液体で引火性。 |
第5類 | 自己反応性物質 | 液体又は個体 | 個体または液体で、加熱分解などにより、比較的低い温度で多量の熱を発生し、又は爆発的に反応が進行する。 |
第6類 | 酸化性液体 | 液体 | 自身は不燃性で燃焼しない液体であるが、混在する他の可燃物の燃焼を促進する性質がある。 |
消防法の定める危険物は個体と液体のみで、気体はない。
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