乙4ブログ 第6章 法令 ⑤保安距離と保有空地

第6章 法令

⑤保安距離と保有空地

重要ポイント

  • 火災予防のために保安距離がある。
  • 保安距離は対象物によって距離が定められている。
  • 消火活動のために保有空地の空き地を設けている。
保安距離とは

製造所等が火災や爆発を起こした場合、周辺の住宅や学校などの保安対象物に影響が及ばないようにするために、危険物施設と保安対象物との間に設けなけらばならない距離を『保安距離』という。

具体的な目的:

  • 火災の延焼防止:危険物施設で火災が発生した場合、保安距離を設けることで、周辺への延焼を食い止め、被害を最小限に抑えることができる。
  • 爆発時の被害軽減:危険物施設で爆発が発生した場合、保安距離を設けることで、爆風や破片による被害を軽減することができる。
  • 二次災害の防止:火災や爆発による有毒ガスの拡散や、消火活動の妨げとなる二次的な災害を防ぐことができる。

保安距離が必要な施設と不必要な施設は下記の通り。

必要な製造所等不必要な製造所等
製造所
一般取扱所
屋外貯蔵所
屋内貯蔵所
屋外タンク貯蔵所
屋内タンク貯蔵所
地下タンク貯蔵所
移動タンク貯蔵所
簡易タンク貯蔵所
給油取扱所
販売取扱所
移送取扱所

また、政令と規則によって、保安対象物ごとの保安距離が決まっている。

保安対象物保安距離
製造所等の敷地外の一般住宅10m以上
学校、病院など、多数が利用する施設30m以上
重要文化財等に指定された建造物50m以上
高圧ガス、液化石油ガスの施設20m以上
特別高圧架空電線使用電7000V~35000V以下水平距離で3m以上
使用電圧35000V以上水平距離で5m以上

保安距離が必要な『学校』には、小・中・高、幼稚園は含まれるが、大学や短大、予備校は含まれない。

保有空地とは

『保有空地』とは、消防法で定められた危険物を取り扱う製造所等の周囲に設けられる、延焼防止や消防活動のために必要な空地のこと。

目的:

  • 火災発生時の延焼防止
  • 消火活動のスペース確保

禁止事項:

  • 保有空地には原則として何も置いてはいけない。

保有空地を必要とする製造所等でも、指定数量の倍数や建物の構造によって確保すべき保有空地の幅が変わる。

保有空地が必要な製造所等
製造所
一般取扱所
屋外貯蔵所
屋内貯蔵所
屋外タンク貯蔵所
簡易タンク貯蔵所(屋外)
移送取扱所(地上)

保有空地が必要な製造所等は保安距離が必要な製造所等に、簡易タンク貯蔵所(屋外)と移送取扱所(地上)が加わるだけ。

まとめ

『保安距離』

製造所等から他の建物までの距離(火災予防)

製造所、一般取扱所、屋外貯蔵所、屋内貯蔵所、屋外タンク貯蔵所

  • 一般住宅(10m)
  • 学校や病院(30m)
  • 重要文化財(50m)
  • 高圧ガス等の施設(20m)
  • 特別高圧架空電線7000V~35000V(水平距離3m以上)
  • 特別高圧架空電線35000V以上(水平距離で5m以上)

『保有空地』

  • 製造所等の周りの空き地(消火活動のため)
  • 指定数量の倍数や建物の構造によって、確保すべき保有空地の幅は異なる。
  • 製造所、一般取扱所、屋外貯蔵所、屋内貯蔵所、屋外タンク貯蔵所、簡易タンク貯蔵所(屋外)、移送取扱所(地上)

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