第1章 物理
②沸騰と沸点
重要ポイント
蒸発と沸騰の違い
飽和蒸気圧と沸点の関係
周囲の熱を奪う蒸発熱
蒸発と沸騰の違い
液体が気体に変わるのを蒸発。蒸発は液体の表面で起きている。液体の中からも激しく蒸発することを『沸騰』という。
熱エネルギーが液体から気体へと変化するためにだけ使われるから、温度は一定になる。この沸騰が起きる温度を『沸点』という。
飽和蒸気圧
一定の温度において蒸気が示す最大圧力のことを『飽和蒸気圧』という。
飽和蒸気圧の値は液体の種類や温度によって変わる。温度が上がれば飽和蒸気圧も上がる。
「飽和」とは最大まで満たされた状態のこと。
液体が沸騰するには、液体の蒸気圧が液面にかかる外圧以上の大きさになることが必要。
液体を加熱して温度が上がると飽和蒸気圧も上がり、外圧(大気圧)の値と等しくなる。飽和蒸気圧と外圧(大気圧)の値が同じになることで、液体の沸点に達し沸騰する。
つまり、沸点とは飽和蒸気圧と外圧の値が等しくなるときの温度。
沸点は外圧が大きくなると高くなり、外圧が小さくなると低くなる。
たとえば、
通常、水の沸点は100℃。しかし山の上の気圧が低いところでは、沸点は100℃以下に下がる。
注意:沸点とは、飽和蒸気圧が1気圧になるときの液温。沸点は物質によっても違うので注意。
蒸発熱(気化熱)
『蒸発熱』は、液体が気体に変化するときに吸収される熱エネルギーのこと。気化熱ともいう。
水の蒸発熱は、他の物質より大きく熱を吸収するので冷却効果が高い。そのため消火によく使われる。
たとえば、
打ち水を撒いたとき、水が蒸発すると周囲から熱を奪い涼しくする。
まとめ
液体の表面は蒸発。中からも起きているのは沸騰。
飽和蒸気圧と外圧が等しくなる値が沸点。
蒸発熱とは、液体が気体に変化するときに吸収される熱。
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