第6章 危険物に関する法令
⑫給油取扱所と販売取扱所
重要ポイント
物品を給油、注油するための場所、給油空地と注油空地がある。
取扱所に併設してもよい建物とダメな建物がある。
物品ごとに分かりやすい色分けがしてある。
給油取扱所の位置・構造・設備の基準
給油取扱所はガソリンスタンドや灯油を詰め替える施設のこと。
保安距離と保有空地は必要ない。ガソリンを自動車に入れる固定給油設備のホース機器の周辺には給油空地が必要。給油空地は間口10m以上、奥行き6m以上取らなければならない。
給油空地は車の出入りや給油スペースのために必要。
また、灯油を容器に入れるための固定注油設備のホース機器周辺には注油空地が必要。
給油空地と注油空地は、危険物の浸透を防ぐために舗装し、流出しないように排水口や油分離装置を設置する。
給油取扱所には、業務に必要ない建物を設置することはできない。設置できる建物と、構造、設備の基準は下記の通り。
設置できる建物 | ・業務の為の事務所 ・給油、注油のための作業場 ・給油、注油のために訪れる人を対象とした店舗、飲食店、展示場(遊技場はNG) ・自動車等の点検、洗浄のための作業場 ・給油取扱所の所有者や管理者の居住等 |
タンク | 固定給油設備や固定注油設備につなげる容量無制限の専用タンク、容量10000ℓ以下の廃油タンク等を地盤面下に設置する |
壁、柱、梁、床、屋根 | 耐火構造か不燃材料でつくる |
窓、出入口 | 防火設備を設置する |
堀、壁 | 周囲に耐火構造か不燃材料でつくった高さ2m以上の塀か壁を設ける(自動車等が出入りする場所は除く) |
屋内給油取扱所の基準
建物内にある給油取扱所を屋内給油取扱所という。また、給油スペースの上部を覆う屋根(キャノピー)の面積が、敷地面積から建物の1階床面積を除いた面積の3分の1を超えるものも屋内給油取扱所として扱う。
屋内給油取扱所には病院や福祉施設を置いてはいけない。
構造や設備は給油取扱所の基準に加えて、下記の基準が定められる。
壁、床、柱、梁、屋根 | 耐火構造。ただし、上階がない場合、屋根は不燃材料でもよい |
上に上階がある場合 | 危険物の漏洩拡大と、延焼防止をする |
区画 | 屋内給油取扱所の部分とそれ以外とで、開口部のない耐火構造の床か壁でしわける |
専用タンク | 危険物の過剰な注入を自動的に防ぐように設置する |
セルフ型の給油取扱所の基準
顧客自身が給油をするセルフ型スタンドは、給油取扱所と屋内給油取扱所の基準に加えて、下記の基準が定められる。
表示 | 給油取扱所に入るときに見やすい場所にセルフ型スタンドであることを表示する |
固定給油設備と固定注油設備 | ・1階の連続した給油(注油)量の上限を設置する ・燃料タンクの満量時、ノズルが自動的に停止するようにする ・ホース機器の使用方法や危険物の品目を表示し、危険物の品目ごとに異なる彩色をする(ハイオク→黄色、レギュラー→赤、軽油→緑、灯油→青) ・地盤面に、自動車の停止位置や容器の置き場を明示する ・自動車の衝突を防ぐためにポール等を設置する |
制御卓 | 給油作業の監視や、顧客に指示するための放送機器を置く制御卓を設置する |
販売取扱所の基準
容器に入ったままで危険物を販売する取扱所を販売取扱所という。このうち、指定数量の倍数が15以下を第1種販売取扱所、15より上で40以下を第2種販売取扱所という。
販売取扱所は保安距離と保有空地が必要ない。
その他の基準は下記の通り。
設置場所 | 建物の1階 |
危険物の配合室 | ・床面積6㎡以上10㎡以下 ・床は危険物が浸透しないようにし、傾斜をつけて貯留設備を設ける ・滞留した可燃性の蒸気を屋根上に排出する設備を設置する |
まとめ
給油取扱所には間口10m以上、奥行き6m以上の給油空地が必要。
給油取扱所には固定給油設備や固定注油設備につけげる容量無制限の専用タンクと、容量10000ℓ以下の廃油タンクを地下に設置する。
給油取扱所には飲食店は併設していいが、遊技場はNG。
セルフ型給油取扱所では、危険物ごとに色分けする。
- ハイオク(黄色)
- レギュラー(赤)
- 軽油(緑)
- 灯油(青)
第1種、第2種販売所は、ともに2階以上に設置することはできない。
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