乙4ブログ 第1章 基礎的な物理学
6⃣静電気
重要ポイント
静電気災害を防ぐための、静電気を発生及び蓄積させない方法
電流と電圧
でんちの+極と-極をつなぐと電気が流れます。これを電流(I)といい、単位にアンペア(A)を使います。
電流を流すためには電気の高低(電位差)が必要で、これを電圧(E)といい、単位にボルト(V)を使います。電流は電圧に比例し、電圧が高いほど電流も大きくなります。
電流を流れにくくすることを抵抗(R)または電気抵抗といい、単位にオーム(Ω)を使います。抵抗の値は、電流が流れる導線の材質、断面積、長さによって決まり、電流は抵抗に反比例し、抵抗が大きいほど電流が小さくなります。
金属のように電気をよく通す物質を導体といい、電気を通さない物質を不導体、または絶縁体という。不導体には、ゴム、合成樹脂、紙、木、などがあります。
電流(I)、電圧(E)、抵抗(R)の関係を式は下記で表す。
電流(I)=電圧(E)÷抵抗(R)
上の式をオームの法則という。
ジュールの法則
電気抵抗を持った導体に電流が流れると、導体から熱が発生する(ジュール熱)。一定時間に発熱する量は下記の式によって求められる。
発熱量(Q)=電圧(E)×電流(I)×時間(t)
この関係をジュールの法則という。
静電気
摩擦によって物質の一方が(+)を帯び、もう一方が(-)の電気を帯びることを帯電といい、物質に帯電した電気を静電気といいます。
帯電には摩擦以外にも、下記のようなものがあります。
- 接触帯電
2つの物質を接触させ、離すときに帯電する。
- 流動帯電
液体が管内を流れるときに帯電する。
- 噴出帯電
液体が高速で噴き出すときに帯電する。
静電気が蓄積されると、場合によっては放電し、火災が発生します。
このとき周りに、引火性蒸気や粉じんがあれば、放電火花(静電気火花)が点火源となって爆発や火災が起きます。
金属や湿った物質のような、電気を通しやすい物質は、(-)の電気が移動しても帯電せずにすぐ元の状態に戻ります。そのため、静電気が発生しにくいです。
静電気は電気を通しにくい不導体の物質ほど発生しやすいです。
電気を通しやすい物質でも、絶縁状態にして、電気の逃げ道をなくすと静電気が帯電します。
また、液体がパイプやホースなどの管内を流れるときにも静電気が発生しやすく、液体の流速に比例して静電気の量が増えます。
静電気の発生、蓄積を防ぐ予防法
静電気の発生を防ぐには下記のような対策があります。
摩擦を減らす。
配管パイプ、給油ホースのどに電気を通しやすい(帯電しにくい)材料を使う。
液体の流速が遅くなるように調整する。
湿度を上げることで空気中の水分を増やし、静電気を空気中の水分に逃がす。
接地(アース)をし、静電気を地面に逃がす。
電気を通しにくい合成繊維ではなく、電気を通しやすい天然繊維の服を着用する。
放射線、静電誘導によって空気をイオン化して、静電気を除く。
まとめ
静電気が蓄積されると、放電火花により火災につながる恐れがある。
静電気を防ぐ方法
- 摩擦を極力減らす。
- 電気を通しやすい材質を使う(不導体はたまりやすい導体が良い)。
- ホース内の流速を遅くする(摩擦減)。
- 接地(アース)。
- 湿度を高くする。
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