第2章 化学
③化学と気体の法則
重要ポイント
化学変化による物質の質量は変わらない
圧力や温度の変化により気体の体積が変わる
質量保存の法則
物質が化学変化すると別の物質になるが、化学変化の前後で質量は変わらない。これを質量保存の法則という。
たとえば、
炭素(C)12gと酸素(O)32gが化合すると、別の物質の二酸化炭素(CO₂)44gになる。
化学変化すると原子の組み合わせが変わるだけで、原子の種類や数は変化しないため、質量にも変化は生じない。
定比例の法則
化合物の中で化合している元素の質量の比は常に一定で、これを定比例の法則という。
たとえば、
水の元素は水素と酸素、質量の比は常に「水素1:酸素8」になる。
質量の比が「水素1:酸素8」ということは、水が9gあったとき、元素の質量の割合は「水素1gと酸素8g」になる。
ボイルの法則
温度が一定のとき、気体の体積は圧力の大きさに反比例するという法則。
気体に圧力をかけるほど、体積は小さくなる。

圧力P×気体の体積V=k(kは定数)
たとえば、
温度が20℃、圧力が2、体積が4だったら、2×4=8。
温度が20℃、圧力が4なら、体積は2になり、2×4=8。
温度が同じ場合、圧力と体積を掛け合わせた数字は常に同じになる。
シャルルの法則
圧力が一定のとき、気体の体積は絶対温度に比例するという法則
温度が上昇するほど気体の体積は大きくなる。

温度を絶対温度(セ氏温度+273度)で表すと、気体の体積(V)は絶対温度(T)に比例する。
圧力が一定のとき、気体の体積(V)は温度が1℃上昇ごとに、0℃のときの体積の1/273ずつ上昇する。
たとえば、
ふたの付いたヤカンの中にお湯が入っていて、蒸気が満ちているとする。同じ圧力のまま温度を1℃上げると、蒸気の体積も1/273増える。
温度をこのまま273℃まで上げると、体積は2倍の6ℓになる。絶対温度は0℃のとき273Kで、273℃になると2倍の564Kになってるから、体積も比例して2倍になる。
ヤカンの場合は、その前にふたが浮き上がって蒸気は漏れるけど。
ボイル・シャルルの法則
ボイルの法則とシャルルの法則をまとめた法則。
気体の体積は、圧力に反比例し、絶対温度に比例する。

ボイルの法則とシャルルの法則を併せて考えると、一定の気体の体積(V)は、圧力(P)に反比例し、絶対温度(T)に比例する。これをボイル・シャルルの法則という。
あらゆる温度、圧力で、ボイルの法則やシャルルの法則に従うと仮定した気体を理想気体という。
アボガドロの法則
全ての気体は、同一温度、同一圧力に下で、同一体積に同じ数の分子が含まれるという法則。
具体的には、0℃、1気圧で22.4ℓ中に1molの気体分子が含まれる。
まとめ
質量保存の法則・・・物質が化学変化しても別の物質になっても質量は変わらない
定比例の法則・・・化合物の中で化合している元素の質量の比は常に一定
ボイルの法則・・・温度が一定のとき、気体の体積は圧力に反比例する
シャルルの法則・・・圧力が一定のとき、気体の体積は絶対温度に比例する
ボイル・シャルルの法則・・・一定量の気体の体積は、圧力に反比例し絶対温度に比例する
アボガドロの法則・・・全ての気体は、同一温度、同一圧力に下で、同一体積に同じ数の分子が含まれる。
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